#黙示録の四騎士 128話感想

ども、ガミガミです。

今週も『黙示録の四騎士』感想です。

ネタバレ全開&鈴木央の過去作品ネタ満載なのでご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんだこれ………?

 

 

 

なんというか…もう…

パーシバルの思考回路が不可解すぎて、読んだ直後にここまで頭を整理するのに時間を要したのは鈴木央作品史上でもそうそう無いレベルでした…

 

黙騎士を一旦閉じて、『それでも歩は寄せてくる』を読んで脳を浄化してなかったら軽く精神をやられてたかもしれません。ありがとう、それあゆ。

 

 

前回の感想で、真実を告げられたパーシバルは「じいじの本当の孫じゃなかったこと」以外ほとんど気にしてないだろうな…と書きましたが、”じいじへの想い”という意味では自分がショックを受ける以上に”じいじが死なない世界があるならその方がいい”とまで思ってるのはさすがに盲点でした。

 

でも、今回パーシバルが考えてるそれ以外の要素がことごとく不可解すぎて、「自分のアイデンティティが揺らいで著しく思考が停滞したんだろうな」と擁護する気持ちだけでは、到底払拭できないほどモヤモヤする気分になりました。

 

まず、パーシバルの発想からことごとくアーサーとアーサー含めた混沌勢が今何をやっていて何をしようとしてるか、そしてそれに対して自分がすべき事がどれだけ重要かが抜けてるのが本当に驚きました。

 

その上で、

「自分が居ると大好きなみんなが不幸になるから居なくなる」

と、

「自分が居なくなってアーサーの蹂躙を許せば

 大好きなみんなが不幸になるから頑張る」

…を天秤にかけて、前者を選ぶパーシバルというのがあまりにも解釈不一致すぎて、ぶっちゃけ作者の胸ぐら掴んで問い詰めたいとまで思ってしまいましたね。

 

パーシバル隊の中でだけでも、今まで本当に幾度となく

「ずっとみんなと一緒に居たい」

「パーシバルが何者であろうとパーシバルはパーシバル」

「自分たちは自分の意思でパーシバルの側に居る」

というやり取りを積み重ねて生まれたが、モートラックとかいうおっさんの思い出話筋違いの妄言であっさり揺らいでしまう様子が本当に不愉快でした。

 

じいじが生きていてくれることを至上だと思い込んでいたとしても、モートラックの発言を聞いて”自分がディオドラとして目覚めてさえいれば”という発想に至るのは、イロンシッドがやった行為を肯定するだけでなく、それを否定して”パーシバル”が”パーシバル”であることを望んで一緒に過ごしたじいじの想いを踏みにじることに等しいので…

 

改めて思いますが今週のパーシバルの発想は心底不可解であり、不愉快でしたね…

 

 

亡くなる直前のじいじに「心から信頼し人生を共に歩む大事な誰か」を見つけるように言われ、それを「見つけたよ」と言い切ったシスタナのパーシバル…

 

「これ以上僕のような思いを他の誰にもさせたくない」といって、アーサーをもぶっとばす覚悟を決めた木霊の谷のパーシバル…

 

大切なものを守れる聖騎士になりたいというアンの想いを汲んで「一緒に旅をしよう…!!」と両手を広げたパーシバル…

 

いい奴に人間も魔神族も関係ないと言い、”背負うもの”にドルチョモンテが居るくらい魔神族の平穏を願っていたパーシバル…

 

「何の役にも立たなきゃ…仲間じゃねぇかな?」というシンに、いてくれるだけで嬉しいと言ったパーシバル…

 

「自分が仲間を巻き込んでるんだなんて思わないで。私たちはあくまで自分の意思であなたと一緒に旅をしているんだから」とアンから言われたパーシバル…

 

自分の”無力”のせいで仲間が死ぬことを恐れて、シン(ランスロット)の無事に本気で涙したパーシバル…

 

”普通じゃないパーシバル”を受け入れて「独りぼっちにはしない」と言われ、みんなが一緒にいてくれることが嬉しいと満面の笑顔で言い切ったパーシバル…

 

ドニー、ナッシー、アンと離れ離れになるかもしれない事態にボロボロと泣きじゃくったパーシバル…

 

「じゃあ僕が人間じゃなかったら嫌いになる?」と問い、「普通だろうと普通じゃなかろうとあなたはあなたよ」と返したアンに、大好きと飛びついたパーシバル…

 

ウォルナックの鎮魂祭で、天国にいるじいじに”心から信頼して人生を共に歩む大事な仲間を見つけたから安心して”という想いを馳せたパーシバル…

 

死んだジェイドに「みんなを見守っていてね」と言ったパーシバル…

 

魔界でパーシバルソードを紛失して自責の念を抱いていた自分に、優しい言葉をかけててくれた周りに対して涙したパーシバル…

 

 

…そんな数々の”想い”が積み重なった上で存在したいた”パーシバル”が、モートラックとプニシバルの言葉だけでこんなに簡単に揺らいでしまったのが残念で仕方ありません。

起きたことに対して「誰かのせいにする」という感覚が無さすぎる今週のパーシバルには、怖さ以上に気持ち悪さすら感じます。

それくらいまともな思考ができなくなってる、と言われればそれまでですが…

 

本当に今週のパーシバルは

”なんか違う”

という言葉に尽きます…

 

 

以下、箇条書き。

 

・「僕」

追い詰められた精神状態とはいえ、ディオドラに一度も会って話したこともないパーシバルが……ちゃんと他人の意思を尊重して慮れるパーシバルが、ディオドラの意思が介在しないイロンシッドの行為を肯定する発想に至るのが本当に理解し難い…

 

・315Pから316P

ある意味、即落ち2コマみたいなイキナリ展開だよ…

 

・「復讐」

パーシバルの夢はけっして復讐だけじゃないのに、こういう心が弱ってる場面で「復讐すんの?」みたいな声をかけてくるプニシバル、間違いなく宗教の勧誘の才能ある。

 

モートラック斬殺

「そういやランスロットさん、〈闇のタリスマン〉の連中を皆殺しにする程度には容赦無かったな…」と思い出した。

 

・アーサーと四凶

そろそろこの作品において「強くて魅力のある悪(敵)」不在が深刻になってきた気がするので、”敵”のを上げるフェーズに入っていいんじゃないかと思う次第。

 

・第一部完

ライジングインパクト』の強制的第一部完(通称:打ち切り)と違って、こんな風に明確に話を切るのは鈴木央の連載作品史上初めてなので驚いた…

 

 

今週はアニメも無いし、来週は連載も休みだし…

このままモヤモヤした気分で次回まで精神を保つのはしんどい…

 

それではまた再来週。