『劇場版 七つの大罪 光に呪われし者たち』感想

ども、ガミガミです。

こちらは7月2日に公開された

『劇場版 七つの大罪 光に呪われし者たち』の感想です。

ネタバレ全開なので、まだご覧になってない方はご注意を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「またな兄者…」

 

 

 

 

 

 

 

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※ ↑ 劇場での俺(イメージ図)

 

 

 

 

…………

 

 

…本当にね…

 

 

本っっっ当に怖かったんすよ…

 

 

劇場版のクオリティがどうなるか……。

 

 

TVアニメならたとえどんな低クオリティなモノが来ようと、まだかろうじて心を抑制できました…

ただ、それが映画となると日本アニメ史のみならず、日本映画史において「鈴木央作品」が汚点を残すことになってしまう…

 

それだけは俺の中で何があろうと許せなかったんです。

 

だからもう、予告編が公開されて本当にヤバそうなら「一生観ないでおこう」とまで思ってました。

 

けど、主役の梶くんの発言から「『憤怒の審判』が始まる前に、既に絵が完成した状態でアフレコが行われた」という情報が入ったことで、制作の優先度が「劇場版 > TV版」であったことが判明し、さらには公開された予告編のクオリティがすこぶる良好

トドメは、6月21日に行われた試写会での評判が絶賛の嵐

 

ここに至ってようやく「期待」の2文字が心に芽生えました。

そして迎えた7月2日………

 

公開されたのは、

良い意味で「期待」を裏切る

最高のアニメ映画作品

でした。

 

 

もうね…

エンドロール中、スクリーンに向かって土下座したい気分でしたね。

感謝

とにかく感謝

圧倒的感謝

よくぞこの映画を作ってくださった、と。

 

人生でここまで

「終わりよければ全てよし」

という言葉を身に沁みて痛感したことはありません。

 

本当に度し難いことも沢山あったし、敬愛する作家の作品が冒涜されたと感じて眠れなかった日もあったけど、約7年続いた「アニメ『七つの大罪』」の終着点であり集大成この映画であるならば、これまでの全ての負の感情が「些事だった」と思えてしまえるほどに、この作品を鑑賞できたことに幸せを感じてます。

 

アニメ『七つの大罪』に関わって下さった皆様に心からの感謝を!

 

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※ 昼に1度目の上映を観た後、辛抱堪らなくなって即レイトショーのチケットを購入して1日に2回鑑賞しました。

 

 

 

でもって具体的な本編の感想ですが、やっぱり鈴木央がネームを切ったというのもあってか話の展開やテンポも割と違和感が無く、全編通してすごく面白かったですね。

シリアスな見せ場とギャグの塩梅も良くて、とにかく観てて飽きなかったです。

 

何より自分が良いなと思ったのが、かなり大勢のキャラ…特に聖騎士勢に見せ場があったことですね。

本編であまり出番の無かったグリアモールが障壁(ウォール)でリオネス城ごと護って奮闘していたシーンとかちょっと背中がブルッときましたし、ジェリコやギーラにもかなりスポットライトが当たってました。

 

TV版と違って、動かないシーンよりバトルシーンの方が逆にクオリティが高くて、まさかこの作品で動きまくる板野サーカス的表現が拝めるとは夢にも思いませんでした。

 

そしてとにかく最高神が出てきてからが激アツで、ベッタベタな展開だけどやっぱりメリオダス全反撃(フルカウンター)で割って入ったシーンは最高に燃えましたね。

あと「エリザベース」2連発はさすがに卑怯ですよ。

盛り上がらないわけがない

最後の劇場版じゃないとやっちゃいけない、禁じ手中の禁じ手でした。

最高神そのものの描写も、フルCGだったのが逆に不気味さを纏った異様な存在感を醸し出していてすごく良い演出だと思ったんですが、途中最高神が後ろに吹き飛ぶシーンの時、地面から出てる光のエフェクトも一緒にそのまま吹き飛んでたのはちょっと笑いましたね。

 

 

細かいところだと、鈴木央お得意の「古参ファンへ向けた鼻っ柱への的確なジャブが今作でも炸裂しました。

 

合技

破槍球突(はそうきゅうとつ)

(※魔界でダリアにブチかましたゼルドリスとゲルダの合技。)

 

あまりの不意打ちすぎて、見た瞬間食ってたポップコーンとスプライト吹き出すかと思いました。

元ネタはUltra Redで主人公の閃がのっちゃん(渡辺則夫)との初対決で使った、指一本で肩関節を外す技です。

やっぱりこの人はこういうネタをちょいちょい挟んできがちなので、何度も何度も何度も言ってますが、皆さん鈴木央の過去作品を読みましょう!

 

 

 

あまり絶賛だけだと何なので、ちょっと小言でも言わせてもらうと…

来場者特典で貰った冊子の中に、この映画のために描かれた鈴木央のネームの一部が掲載されてるんですが、その中で「ああ…ここは省かないで(変えないで)ほしかったな。」と思った箇所がいくつかありました。

 

まず最初にアーサーがキャメロット跡地に多くの墓石を並べるシーン。

ここのシーンが、ネームだとアーサーが左に居て斜め後ろから墓石と夕日が一緒に映る印象的なカットなんですが、それが映画ではほとんど墓石と夕日のみに焦点を当てたカットだったこと。

さらに、この時キャメロットの国民がアーサーに向けた言葉の回想が入ってるんですが、映画ではそれが省かれてたこと。

そして最後の方で、メリオダスとゼルドリスのグータッチ…これをゼルドリスから先に照れながら拳を突き出すのは是非入れてほしかった演出でした。

 

けど、それらを全て飲みこめても「ここだけは絶対に入れてほしかった」と思ったのが、最高神が倒されたのを見届けたマーリンがアーサーのもとに戻った時に交わした…

「…戻ってきてくれたんだマーリン…」

「…当然だ…お前こそ私が仕えるべき王なのだアーサー」

…という会話。

この会話は今までの『七つの大罪』の物語…というか七つの大罪におけるマーリンの存在の重さを表した本っっっっっ当に深いセリフだし、その先の物語である黙示録の四騎士にも繋がっていたので、ここだけは心底削らないでほしかったですね…

 

逆に、このシーンでアーサーを襲撃した巨人族と妖精族の死体の山をあえて描かなかったのは個人的には良い改変だと思いました。

あの流れだと当然巨人族と妖精族はアーサーに(ストレス解消込みで)挽き肉にされるのは目に見えてましたから、その結末をあえて描かず「あれ?アーサーを襲ったヤツらはどうなったの?」と疑問の余地を残して、アーサーの残虐性を「予測」の域に留めておいたのは評価したいです。

…とはいえ、このネームのお陰で鈴木央の中におけるアーサーの残虐性は露見してしまうわけですが(苦笑)

 

 

 

え~細かいところを1つずつ語っていくとキリが無いので、ひとまずこれで感想を終わります。

 

この作品…TVアニメがアレだったせいで、おそらく興行的な出足はかなり鈍いとは思うんですが(実際公開初日だったのに座席はスッカスカでしたから…)、口コミでクオリティの高さが広まって、一度でも七つの大罪のアニメに触れたことのある人が観客として劇場に足を運んでくれることを祈ります。

 

改めて、この映画を作ってくれた方々に心から感謝を。

そして鈴木央が、スタッフさんやキャストさん達と酒を飲み交わせる日が来ますように(祈念)